アパート一棟買いは、個別の区分マンション投資に比べて高い利回りが期待でき、規模の経済が働きやすい魅力的な不動産投資です。しかし、高額な投資であるため、失敗は許されません。ここでは、確実に収益を得るための物件選定とシミュレーションのポイントを解説します。
1. 物件選定の基本は「立地」と「築年数」
アパート一棟買いの成功は、何よりも適切な物件を選ぶことから始まります。
立地条件の厳選
最も重要なのが立地です。いくら魅力的な物件でも、入居者が集まらなければ収益は上がりません。以下の点を重視して選定しましょう。
・駅からの距離
徒歩10分以内が理想的です。特に単身者向け物件では、駅からの距離が入居率に直結します。
・周辺環境
買い物施設、病院、学校、公園など、生活利便施設が充実しているかを確認します。治安の良さも重要な要素です。
・将来性
再開発計画や人口増加が見込まれるエリアは、将来的な資産価値向上も期待できます。ただし、過度な期待は禁物です。
築年数と物件の状態
築年数は、修繕費用や融資の条件に大きく影響します。
・新築・築浅
融資が付きやすく、当面の修繕費用は抑えられますが、利回りは低めになりがちです。
・築20年~30年程度
比較的物件価格が手頃で、適切なリノベーションを行うことで高利回りを目指せます。ただし、購入後の大規模修繕の有無や履歴をしっかり確認しましょう。
・旧耐震物件
耐震補強が必要になる場合があり、多額の費用が発生する可能性があります。融資も付きにくい傾向にあるため、慎重な検討が必要です。
2. 収益性を測るシミュレーションの重要性
物件を選定したら、詳細な収益シミュレーションを行い、投資の妥当性を確認します。
表面利回りだけでは不十分
物件情報に記載されている表面利回り(年間家賃収入 ÷ 物件価格)は、あくまで目安に過ぎません。これだけを見て判断するのは危険です。
実質利回りの算出
より実態に近い収益性を把握するためには、実質利回りを計算する必要があります。
実質利回り= (年間家賃収入−年間経費)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
物件価格
年間経費には、以下のようなものが含まれます。
・固定資産税・都市計画税
・管理委託費用
・火災保険料
・修繕積立金(共用部分)
・清掃費
・広告費(空室対策費用)
・減価償却費(キャッシュフローには影響しないが税金計算には重要)
特に、空室率を考慮に入れることが重要です。満室を前提とするのではなく、現実的な空室率(例:5~10%)を設定してシミュレーションしましょう。
キャッシュフローの確認
最終的に最も重要なのは、手元に残るキャッシュフローです。
年間キャッシュフロー=年間家賃収入−年間経費−年間ローン返済額
ローン返済額は、物件価格、自己資金、借入金利、返済期間によって大きく変動します。複数の金融機関で融資条件を確認し、最も有利な条件を引き出す努力も必要です。
3. その他のチェックポイント
土地の権利関係: 所有権か借地権か。借地権の場合、地代や契約期間を確認しましょう。
・法規制
用途地域、建ぺい率、容積率など、建築基準法に基づく規制を確認します。
・災害リスク
ハザードマップで水害や地震のリスクを確認することも大切です。
まとめ
アパート一棟買いは大きなリターンが期待できる一方で、綿密な準備とリスク管理が不可欠です。「立地」と「築年数」を軸にした物件選定、そして現実的な数値を盛り込んだ詳細なシミュレーションを行うことで、着実に収益を上げられる可能性を高めることができます。
ご自身で目安の計算を行い最終的には私共のような一棟アパート購入の専門家が最終チェックする事がお勧めです。