一棟アパート購入時に確認すべき利回りと想定収益の目安は

2025/05/07
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「一棟アパート投資に興味はあるけれど、何から手をつければいいのか分からない」「利回りって何?」「想定収益はどうやって計算するの?」と感じているアパート投資初心者の方も多いのではないでしょうか。

アパート投資で成功するためには、物件の価格だけでなく、利回りと想定収益を正しく理解し、ご自身の目標に合った物件を選ぶことが非常に重要です。

この記事では、アパート購入時に必ず確認すべき利回りの種類と、具体的な想定収益の計算方法、そして購入判断の目安について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

アパート投資の基礎知識:利回りの種類と計算方法

アパート投資における「利回り」とは、投資した金額に対して、どれくらいの収益が見込めるかを示す割合です。利回りにはいくつかの種類があり、それぞれ意味合いが異なります。

1. 表面利回り(グロス利回り)

表面利回りは、最も一般的に使われる利回りで、年間家賃収入を物件購入価格で割って算出します。

計算式: 表面利回り=(年間家賃収入÷物件購入価格)×100

●特徴:
管理費や修繕積立金、固定資産税などの諸経費を考慮しないため、実際の収益とは乖離がある点に注意が必要です。

あくまで物件の収益力をざっくりと把握するための初期指標として使われます。
一般的に、都心部では利回りが低く、地方では利回りが高い傾向にあります。目安としては、5%〜10%程度が一般的ですが、エリアや築年数によって大きく変動します。

2. 実質利回り(ネット利回り)

実質利回りは、年間家賃収入から管理費、修繕積立金、固定資産税、損害保険料などの年間諸経費を差し引いた純粋な収益を基に算出する利回りです。より現実的な収益性を把握するために不可欠な指標です。

計算式: 実質利回り=((年間家賃収入−年間諸経費)÷物件購入価格)×100

●特徴:
物件の真の収益性を反映するため、投資判断において非常に重要な指標となります。
表面利回りよりも数値は低くなります。物件のタイプや築年数、管理状況によっても変動しますが、4%〜8%程度が一つの目安となるでしょう。

購入を検討する際には、必ずこの実質利回りで比較検討するようにしましょう。

想定収益の具体的な計算方法と目安

利回りだけでなく、実際に手元に残る金額である想定収益を具体的に計算することも重要です。想定収益は、年間家賃収入からあらゆる支出を差し引いた手残りの金額を指します。

想定収益の計算式: 年間家賃収入−年間運営費用(管理費・修繕費・固定資産税・保険料など)−ローン返済額(もしあれば)=手残り収益

●チェックポイント:
空室リスク: 全室が常に満室とは限りません。エリアの空室率や、物件の築年数を考慮し、実際の稼働率を想定した家賃収入で計算しましょう。例えば、90%の稼働率で計算するなど、少し厳しめに見ておくのが賢明です。

修繕費用: 築年数が古い物件ほど、大規模修繕(外壁塗装、屋上防水など)の費用がかかる可能性があります。定期的なメンテナンス費用に加え、将来的な大規模修繕費用も考慮した積立金を見込んでおきましょう。

管理委託費用: 自分で管理しない場合は、管理会社に支払う委託費用も収益から差し引く必要があります。

金利変動リスク: ローンを組む場合は、金利が上昇した際の影響も考慮に入れるべきです。

まとめ:利回り・想定収益を理解し、堅実なアパート投資を

一棟アパート投資は、購入価格だけでなく、利回りと想定収益を正しく把握することが成功への第一歩です。特に、諸経費を考慮した実質利回りと、空室リスクや修繕費用まで見込んだ具体的な手残り収益を計算することで、より堅実な投資判断が可能になります。

魅力的な利回りの物件でも、想定外の出費で収益が悪化するリスクも潜んでいます。複数の物件を比較検討し、疑問点は必ず不動産会社や専門家に確認するなど、慎重に情報収集を行いましょう。正しい知識を身につけ、あなたにとって最適なアパート投資を実現してください。

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