不動産価格の高止まりが続く現在、利回り重視の投資家にとって冬の時代が続いているように見えます。しかし、そんな市況の中でも、驚くような高利回りで物件を購入し、着実に資産を増やしている投資家は存在します。
彼らに共通しているのは、「相場より安く仕入れる技術」を持っていることです。 不動産投資の成否は「入り口(購入価格)」で9割決まると言われます。安く買うことができれば、利回りは跳ね上がり、空室や金利上昇のリスクに対する耐性も劇的に高まります。
「定価」はないと思え!売主の事情を突く心理戦
まず大前提として、スーパーの商品とは違い、不動産には明確な「定価」が存在しません。売り出し価格は、あくまで売主の「希望価格」に過ぎないのです。
安く買うための第一歩は、「売主がなぜ売りたいのか(売却理由)」を探ることです。 売主の状況によって、価格交渉(指値)が通る確率は天と地ほど変わります。
強気な売主: 「高く売れるなら売るが、安く売る気はない」
弱気な売主: 「とにかく早く手放して現金化したい」「期限までに売りたい」
狙うべきは当然、後者です。では、具体的にどのような物件やタイミングを狙えばよいのでしょうか。
【方法1】「相続」と「売り急ぎ」案件を狙い撃つ
最も大幅な値引きが期待できるのは、「相続案件」と「期限付きの売却」です。
特に相続が発生した直後の物件は狙い目です。相続税の納税期限(相続開始から10ヶ月以内)が迫っている場合、相続人は「価格」よりも「スピード(確実に現金化すること)」を優先する傾向があります。 また、遺産分割協議で兄弟が揉めているケースなども、「早く売って現金を分けたい」という心理が働き、相場より2〜3割安い価格でも合意に至ることがあります。
不動産屋に問い合わせる際は、「売却理由は何ですか?」「いつまでに売りたいという期限はありますか?」と必ず質問し、売主の焦り具合(本気度)を見極めましょう。
【方法2】根拠のある「指値」で数百万円を削る
ただ闇雲に「300万円安くしてください」と言っても、売主は納得しません。逆に心証を悪くして交渉決裂になるだけです。 交渉を成功させる鍵は、「論理的な根拠(リフォーム費用)」を提示することです。
例えば、売り出し価格5,000万円の中古アパートを購入する場合。 現地調査で外壁の劣化や屋上の防水切れ、空室の内装汚れなどを細かくチェックし、その修繕にかかる見積もりを作成します。
「購入後に外壁塗装と防水工事で500万円かかります。その分を考慮して、4,500万円であれば即決で購入させていただきます」
このように、「物件の不具合を直すコスト」を理由に値引き交渉(指値)を入れるのが、プロの常套手段です。売主も「確かに修繕が必要だ」と認識していれば、論理的な交渉には応じやすくなります。
【方法3】「管理不全」のボロ物件を磨いて再生する
3つ目は、あえて「見た目が悪い物件」や「空室だらけの物件」を狙う方法です。
ゴミが散乱していたり、植栽が伸び放題だったりする物件は、第一印象が悪いため一般の投資家からは敬遠され、売れ残って価格が下がっていきます(売れ残り物件)。 しかし、これらが単なる「管理不足」によるもので、建物の構造自体に問題がないのであれば、それは「ダイヤモンドの原石」です。
安く購入した後、剪定や清掃、共用部の照明交換など、低コストな改善を行うだけで、見違えるように物件力が上がります。 「今のオーナーがやる気を失っているだけ」の物件を見つけ出し、安く買って自分で再生させることこそ、高利回りを実現する最短ルートです。
まとめ
一棟アパートを安く手に入れるためのポイントは以下の3点です。
1.売主の「売り急ぎ」事情(相続や納税期限)をリサーチする。
2.リフォーム費用を根拠にして、論理的な「指値」を入れる。
3.皆が敬遠する「管理不全物件」を安く買い、再生させる。
「良い物件を安く買う」のではなく、「交渉や工夫によって安く買う」のが不動産投資の醍醐味です。 ポータルサイトの価格を眺めているだけでは、お宝物件には出会えません。まずは不動産会社と関係を築き、売主の背景情報まで踏み込んでヒアリングすることから始めてみてください。その一歩が、驚異的な高利回りを生む鍵となります。









