「夢の大家さん生活」「不労所得で経済的自由を」―。一棟マンションや一棟アパートへの投資は、多くの人にとって魅力的な響きを持つ言葉です。しかし、その裏側には大きなリスクが潜んでおり、十分な知識と準備なしに飛び込むと、取り返しのつかない事態に陥ることも少なくありません。
今回はその失敗事例を鑑みて、これから一棟マンションや一棟アパートを購入しようという不動産投資家さんの助けになればと思います。
想定外の修繕費でキャッシュフローが崩壊!「高利回り」の罠
40代会社員Aさんは地方都市に築25年の一棟アパートを、利回り12%という魅力的な数字に惹かれて購入。
しかし、購入してわずか半年で、複数の部屋から雨漏りが発生。調査すると、屋上の防水工事が急務であることが判明しました。さらに、給湯器の故障が相次ぎ、最終的に外壁塗装や給排水管の更新も必要に。
当初のシミュレーションには到底含まれていなかった数百万単位の出費が重なり、キャッシュフローはあっという間に赤字に転落。金融機関への返済も滞り、最終的には物件を手放さざるを得なくなりました。
なぜ失敗したのか?
失敗の最大の原因は利回り12%という数字だけに夢中になってしまい重要な建物調査を行わなかった事にあります。
また築25年という事もすっかり抜け落ちており目に見えない経年劣化を予想出来ていなかった事も挙げられます。
今回失敗してしまった、やっておけば良かった等の項目をまとめてみました。
建物状況調査(インスペクション)の未実施
物件の見た目やレントロール(家賃一覧表)の数字だけで判断し、専門家による建物の詳細な調査を怠りました。
結果、築25年の経年劣化がボロボロとあったものを見抜けませんでした。
甘いキャッシュフロー計算
購入時の諸経費や税金は考慮していても、将来発生する大規模修繕のための費用を積み立てていませんでした。仲介会社が提示する「表面利回り」だけでなく、修繕費や空室リスクを考慮した「実質利回り」を判断出来なかったところにあります。
まとめ
弊社へご相談戴く前の一棟アパート購入でこういった失敗をしてしまい、パートナー不動産屋さんのチェンジという事で弊社を選んでいただきました。
高利回りの築古物件には、必ず「理由」があります。
購入前には必ず信頼できる専門家に建物状況調査を依頼し、修繕が必要な箇所と概算費用を把握しましょう。
その上で、長期修繕計画を作成し、毎月のキャッシュフローから修繕積立金を確保するシミュレーションが不可欠です。
正直、そこら辺は仲介の不動産屋がサポートするのですが悪徳不動産屋に引っ掛かってしまったようです。
こちらの記事を読んでいるあなたさまも、そういったサポートの少ない不動産屋さんは今すぐ手を引いた方が安心です。
注意喚起の意味も含め、今回は失敗事例をお伝えさせていただきました。