「一棟アパート投資で不労所得を作りたい!」 そう意気込んで不動産投資を始めたものの、業者に言われるがままに物件を購入し、数年後に破産寸前まで追い込まれてしまう…。
不動産投資の世界には、残念ながら知識の浅い初心者を狙い、利益の出ない物件を売りつける悪質な業者が存在します。数千万円、数億円という巨額の借金を背負う一棟投資において、業者選びのミスは致命傷になりかねません。
「物件」を見る前に、まずは「人(業者)」を見極めること。 これが投資家として生き残るための鉄則です。
失敗は「業者選び」で9割決まる!危険な不動産屋の共通点
不動産投資は情報戦です。しかし、プロである業者と、アマチュアである投資家の間には圧倒的な「情報の非対称性(格差)」があります。
誠実な業者は、その格差を埋めるためにリスクを含めた全ての情報を開示します。一方で、危険な業者はその格差を悪用し、都合の悪い情報を隠して「夢」だけを売ろうとします。
もし、商談中に少しでも「違和感」を覚えたら、その直感は正しい可能性が高いです。契約書にハンコを押す前に、以下の3つの特徴に当てはまらないか冷静にチェックしてください。
1. 「未公開」「今だけ」を連呼し、決断を急かしてくる
最も分かりやすい危険信号は、「時間をくれない」ことです。
「実はこの物件、まだネットに出ていない未公開情報なんです」 「他にも検討している人が2人います。明日までに買付を入れないと取られますよ」
このように、希少性を煽り、冷静な判断時間を奪おうとする営業マンには要注意です。もちろん、本当に人気物件でスピード勝負になるケースもあります。しかし、悪質な業者の場合、投資家に「現地調査」や「詳細なシミュレーション」をさせないために急かしているケースがほとんどです。
一棟物件の購入は、企業のM&A(合併・買収)と同じです。数千万円の買い物を、現地も見ずに、数時間の説明だけで決断させるような業者は、投資家の利益などこれっぽっちも考えていません。「今日決めてくれたら仲介手数料を値引きします」といった甘い誘い文句にも乗ってはいけません。
2. シミュレーションが「満室想定」で、経費が過小評価されている
提案された物件の収支シミュレーション(事業計画書)をよく見てください。 危険な業者の作るシミュレーションは、例外なく「バラ色の未来」しか描かれていません。
常に満室想定: 空室率を考慮せず、最高額の家賃収入が30年間続くと仮定している。
経費の隠蔽: 固定資産税、火災保険料、修繕積立金、管理委託費などが計上されていない、または極端に安く見積もられている。
金利上昇リスク無視: 変動金利なのに、返済額が30年間変わらない計算になっている。
特に悪質なのが、「レントロール(家賃表)の偽装」や「フリーレント(家賃無料期間)による見せかけの満室」です。 「利回りが高いですね!」と褒めるのではなく、「なぜこの経費が含まれていないのですか?」「空室率15%で計算し直してください」と切り返してみてください。そこで嫌な顔をする業者は、間違いなく黒です。
3. 「デメリット」や「リスク」に関する説明が一切ない
不動産に「完璧な物件」など存在しません。 どの一棟物件にも、必ず何らかの欠点(駅から遠い、建物が古い、エリアの人口減少など)があります。
信頼できるパートナーであれば、「この物件は利回りが高いですが、将来的に大規模修繕で〇〇万円かかるリスクがあります」と、ネガティブな情報もセットで教えてくれます。
対して、危険な業者はメリットしか話しません。 「絶対に儲かります」「節税になります」「将来は年金代わりになります」といったセールストークばかりで、リスクへの言及がない場合は極めて危険です。
ラーの鏡かも!?【魔法の質問】をしてみよう
営業マンにこう聞いてみてください。 「この物件の一番の懸念点(デメリット)は何ですか?」 この質問に対して、「特にありません」と答えたり、言葉を濁したりする業者は信用に値しません。リスクを隠しているか、そもそも物件のことを理解していないかのどちらかです。
まとめ
一棟物件投資で成功するために避けるべき「危険な不動産屋」の特徴は以下の3点です。
「今買わないと損」と決断を急かし、現地調査の時間を与えない。
シミュレーションが「満室・経費なし」の非現実的な数字で作られている。
メリットばかりを強調し、物件固有のリスクを説明しない。
不動産投資は、購入して終わりではなく、そこから何十年も続く賃貸経営の始まりです。 目先の利益のために嘘をつく業者ではなく、悪い情報も正直に伝え、出口(売却)まで一緒に戦略を練ってくれる誠実なパートナーを見つけること。それこそが、一棟投資で資産を築くための最初で最大のステップです。









